ども、たっちャンと申します。今回はにほんばれのOBや先輩方に初めてプレイするノベルゲームを募ったところ、この作品ならハズれないという事で勧めて頂く事になり、無事全ルートを視聴する事ができたので感想を適当に書いておきます。
※この記事はATRI~My Dear Moments~ストーリー本編のネタバレを含みます。ご了承下さい。
ゲームの粗筋についてここで記載するつもりはありませんので、大まかな部分だけピックアップして語っていきます。
1.メイン以外の登場人物に関して
2.主人公、こんなもん?という話
3.ストーリー、面白い?
4.総評
1.メイン以外の登場人物に関して
本作にはストーリーを彩る個性豊かな人物が登場します。これに関して自分はプレイ中...というかクリアして改めて感じた事なのですが
コイツ等ほぼいらんくね?っていう事です。
まぁなんというか、あまりにもストーリーの大筋に対する関与が薄すぎるし、キャラクターもありきたりで、ベタ。もっと他にやりよう無かったのかな...と思わされる構成員。ただただ尺を埋めるために生み出された感が強く、アトリとは別に主人公に思いを寄せる水菜萌や堅物(?)の竜司のようにノベルゲームとしてのキャラクターポジショニングは完璧だっただけに、非常に残念。
まずは竜司について。このキャラクター、所謂「良いヤツ」すぎて何の面白味も無かったです。もっと捻くれ者にして、その上で主人公の夏生と打ち解けていくまでの過程を鮮明に描くとか、水菜萌と夏生絡みで一悶着あったり...みたいな話があっても良かったんじゃないかな...と。序盤を越えたら終始良いヤツムーブを繰り返し、「玉手箱を渡されない浦島太郎」のような一直線展開を見せられているような感覚に陥っていました。関係無い話ですが、某ガンダムアニメのあの人を頭の中で連想してしまいました...
お次に水菜萌。このキャラクター、ストーリー中にもちょくちょく夏生への好意が読み取れ、アトリと夏生の告白?の話を聞いた際にも動揺を隠し切れないような描写もあり...という所までまぁ良かったのですが、この「好意」について、もっと深堀りがあっても良かったんじゃないかな...(n回目)という気持ちでいっぱいでした。
キャサリンが説明した"LIKE"と"LOVE"、水菜萌はどう考えてもLOVE側であったにも関わらず、ゲーム中盤~終盤にかけてここ関連についてほぼ触れられなくなり、アトリと夏生の独壇場...という感じ。
「私も漫画みたいな恋愛してみたいな~」と茶化すようなシーンや、「2人が笑ってたらそれでいいかな」という善人ムーブもあり、多少悩む描写はあったもののぽっと出の女ヒューマノイドに好きだった男を持っていかれて、少しくらい嫉妬や葛藤するシーンがあった方がストーリーとして面白くないか...?とは思いました。(口では言わなくてもノベルゲームである以上感情の描写をもっと出して欲しかった)
その上でラッキースケベシーンにこの女を採用してるの何かのバグだろ...
他にも何人か居るのですが最後。夏生とアトリを除くと重要度がかなり高く、自分が最も評価しているキャラクターがキャサリン。長くなるのであまり言及はしませんが、キャサリンの過去がATRIストーリー終盤にも大きく関与し、学校の先生役を買って出た事や名前を捨て新たな一歩を踏み出そうとした時の話など、序盤の犯罪行為を上乗せしても十分に良いキャラクター性を発揮していたと思いました。
残りの登場人物が重要度の低いガキなので割愛(badルートのおっさんはゴミだったので書かない)
2.主人公、こんなもん?という話
この物語の主人公、夏生について語りたいのですが
このキャラ、キモくね?
これ自分だけですかね?ストーリー読んでて主人公の夏生があまりにもキモすぎてお前が機能停止しろよ...とか思っちゃいました。そのくらいには嫌い。
アトリを抱きかかえて寝るシーンとかもう見るに堪えなかったです。というかアトリがそういう方向性なのも相まって終始見ててキツ過ぎる描写が多く、名作ノベルゲームの主人公ってこんなもんなのか?って思っちゃいました。
この序盤から中盤にかけて発生した夏生に対する否定的な感情をどうしても打ち消せず、終盤はもうなんか別のキャラクターとして心の中で置き換える事で精神の安寧を保つ事に...アトリが夏生の足代わりになる、という設定から飛躍して常時手を繋ぐとかはまだ耐えたのですが、一番ダメだったのは発電機を作る直前に皆で学校のための案を出しあったシーン。
ガキが頑張って出した意見を頭ごなしに否定→それを竜司に咎められお前は何か案を出せと言われるも自分はここに来たばかりだからお前らが出すべきと反論するという一番嫌われるタイプの人間が取るムーブをいとも簡単にやってのける夏生に自分は限界を迎え、本作で最も嫌いなキャラクターを挙げろと言われたら真っ先にコイツを挙げるくらいには嫌い。ATRIの成神陽太
一応アトリについても語ります。アトリはかなり人間味のあるヒューマノイドとして、機械っぽくない部分は「高性能なので」という一点張り。機械...?ウッ...頭が
本作のギャグシーンの大半はこの子が絡んでおり、機械の分際でポンコツ呼ばわりすると法的措置を取ろうとしてくる厄介者。このキャラクターは自分も好きな方で、日常パートはどちらかというと夏生がメインでしたが、シリアスパート以外の日常風景を彩るためにもアトリは不可欠な存在であったと感じています。差別禁止を重んじる割に関節の数でマウントを取ってきた時には流石に横転。少しバカっぽい女の子キャラクターは割と王道だと思うのですが、メインヒロインがこれなので個人的には水菜萌の方が好きでした。
3.ストーリー、面白い?
各ルートで話が大きく異なるので、それぞれ10点満点で評価を付けていきます。
共通ストーリー...5点
通常エンド...10点
Badエンド...2点
真エンド...9点
まずは共通ストーリーについて。ヒューマノイドやファントムペイン、上昇する海面辺りまでは着いて行く事が容易で、発電機制作のような良くも悪くも普通のシーンまでは追いつく事ができたのですが、エデン辺りから話が急転直下し、独特な世界観がとんでもないペースで入ってきて、もう少し緩めのストーリーを想像していた自分には正直何が起こっているのか把握し辛く、某"神"アニメを彷彿とさせる展開構成に困惑を隠せなかったのが正直な感想です。
次に通常エンドですが、これは素直に読んでいて面白かったです。本当の意味になってしまった「2人に残された時間」がスペクタクルに描かれ、限られた時間を有意義に、「価値のある」時間として過ごしたいというシーンは本当に感動しましたし、アトリのログは「自身の存在価値を証明するためのもの」だったのかもしれず、自分には未来が無いが、夏生には未来があるのだと諭す描写も、シナリオライターの本気を感じられ非常に良かったです。10点。
BADエンド、2点です。あまりにも安っぽい終わり方。蛇足。本当に蛇足。このエンドはアトリが学校に来てはいけないという命令に背くシーン以外突然出てきたおっさんが女に暴力を振るうシーンばかりで本当に良いとこ無かったし、自分のアトリに対する否定的バイアスが増幅してしまっただけの駄シーンで、これではどのルート回っても「アトリってそういうヒューマノイドなのか...?」という考えが付きまとう事になり、マジで何でこれ作った?って感じでした。せめてアトリ側に100%非があって、おっさんが「感情的」にこの事件を起こしていなければ良かったのにな...って思います。
最後に真エンド、9点です。ここだけはなにも書きません。ご想像にお任せします
4.総評
ノベルゲーム初等教育の教材、と言い表せるような作品でした。可も無く不可も無い、良く言えば万人受けするようなストーリー構成であったと思います。アニメーションも素晴らしい出来で、2,200円とは思えないクオリティに脱帽。自分は物語についてストーリーの面白さよりも「メインキャラクター”以外“の人間性やその深堀り」を求めるタイプの人間なので、そこが少し物足りなかったなという印象。
ATRI~My Dear Moments~が最初にプレイするノベルゲームで良かったと改めて感じました。Qオメに感謝を。